http://mytown.asahi.com/okinawa/news.php?k_id=48000180512070003より全文
【沖縄の食卓】山本彩香
すーちきーじし

<写真・松島均>

●沖縄流儀の自家製ハム
お肉は店で買うもの、というのが、今の常識ですが、私が幼かった頃は、いろいろな機会に、家畜をつぶして肉にするということがありました。
家の建設やサトウキビの収穫は、近所の人たちに手伝ってもらったものでした。こうした助け合いを、「ゆいまーる」というのですが、ゆいまーるで来てもらった人たちに食べてもらうため、ヤギをつぶして、ひーじゃー汁の炊き出しをしました。大きな鍋で骨をつけたままの肉や内臓を煮込んだ濃厚な汁で、疲労回復のくすいむん(薬)ですから、肉体労働の後にはぴったりだったのです。
少し裕福な家ですと、鶏を庭に放し飼いにしていました。赤ちゃんができたら、妊娠6カ月ごろに鶏をしめて、季節の野菜と汁物を作りました。お母さんとおなかの子どもに栄養をつけてもらうためです。
正月の前には豚をつぶしました。豚は大変なごちそうです。血や内臓など傷みやすい部分を先に食べ、肉は皮付きのまま、専用のかめで塩漬けにしました。かめは「すーちきーがーみ」と呼びます。大きな素焼きのつぼで、何度も使って脂や塩分がしみこんでいました。肉を入れ、塩で覆い、火であぶって軟らかくしたバナナの葉を敷き、上に皿を置いてふたをしました。肉は少なくとも、お盆頃までもたせたものです。
こうして保存した塩漬けの豚の三枚肉を、「すーちきーじし」と言います。沖縄風の自家製ハムというところでしょうか。今ではすっかり珍しくなり、料理店でもあまり見かけなくなってしまいました。でも保存食というだけではなく、塩の力でほどよく脂が抜けて肉が締まり、風味も増しています。このおいしさを知っていただきたいと思います。
適当な大きさに切り、ゆでて塩を抜き、食べます。しーくゎーさーなど、かんきつ類の汁、または酢をかけると味が良くなります。フライパンで焼き目をつけて食べるのもおすすめです。(沖縄料理店店主)
■すーちきーじし
【材料】
豚三枚肉(皮付き)1.5キロ、粗塩1キロ
(1)密閉容器に塩を厚めに敷き詰め、肉側を下にして肉を置き、皮に塩をたっぷりすりこみ、塩を上にのせる。常温で1晩置く。
(2)翌朝、肉からにじみ出てきた水分を捨て、同じ要領で塩をすりこむ。1日常温で置いておく。
(3)次の日、水分を捨てて、塩をすりこみ、ラップをかけて、冷蔵庫に入れる。野菜室が適している。1週間から2週間すると、食べられるようになる。
《付記》
漬け始めの2、3日に水分がたくさん出てくる。注意してしっかりと捨てておく。その後は肉が白っぽくしまって硬くなり、水分は出なくなる。脂身が黄色く酸化しないよう、注意することも大切。塩さえ多く使えば、防げる。後で塩抜きはできるので、塩はたっぷりと使う方がよい。
食べる時には、必要な分だけ肉を切り取り、好みの大きさに切り分けて、ゆでて塩抜きをする。ゆで方は、鍋にたっぷりの水を用意し、肉を入れ、弱火で熱し、くらくらとあわが立ってきたらすぐに水をかえる。3回ぐらい水をかえ、なめても湯に塩を感じなくなったら塩は抜けている。酒のさかなにもよいし、薄切りにしてハムの代わりにサラダなどに入れてもよい。
三枚肉には、薄くて脂身が少ない部分と、厚ぼったくて脂身も多い部分がある。沖縄の言葉では前者を「ふぃしはらがー」、後者を「あちはらがー」と言う。すーちきーじしには、ふぃしはらがーが向いている。皮付きの肉は、沖縄以外だと手に入りにくいかもしれない。その場合、皮なしでもよいが、おいしさからすると、皮付きの方が上だと思う。
あ〜〜
おつまみに
もってこい
って
感じですね〜〜
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